手術看護の分野には、日本看護協会の認定看護制度があります。しかし、研修する機関が少ないためその浸透は不十分で、採用枠も多くはありません。そこで日本手術看護学会は、臨床実践力のクリニカルラダーを基準に、習熟度の高い手術看護師の育成をはじめました。高い知識と技術を持ち、手術室のリーダーの役目を務める看護師を増やすことを目的としています。
手術看護実践指導看護師は、レベル3の中堅以上の能力を持っている看護師に与えられる資格です。手術医療チームの中で要となる役割を担う看護師として、多くの現場でその存在の必要性が高まっています。手術看護実践指導看護師の資格取得のために得た知識や技術は、手術室看護師ならすぐに役立てることが可能です。資格を取得することで看護師のスキルアップだけでなく、手術室スタッフに率先して伝えることで、チーム医療のクオリティが高まるメリットもあります。
手術看護実践指導看護師の資格取得には、日本手術看護学会の正会員を3年以上継続していて、手術室経験が5年以上あることが必要です。また、学会への出席や論文執筆などによる、受験資格ポイントを50点以上取得することも欠かせません。
認定には筆記試験はなく、所定の審査書類を作成して簡易書留で事務局に郵送後、認定委員会により認定審査が行われます。スケジュールは毎年ほぼ同じで、書類送付が2月から3月、審査が4月から5月、発表が6月、登録手続きが7月という日程です。